馬に癒される・・・乗馬療育(障害者乗馬)

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浦河町のある北海道日高地方は競走馬のふるさとということで有名ですが、障害を持った方への乗馬にもいろいろと取り組んでいます。これらの情報を少しずつですがご紹介したいと思っています。

 乗馬療育(障害者乗馬)は障害を持った人達が馬に乗ることにより、身体的・精神的効果が得られると言われていますが、まだまだ研究段階です。その歴史は古く、欧米では100年近い歴史があります。

 馬の動き(左右・前後・回旋)により、騎乗している障害者は歩いている感覚(擬似歩行)を得ることができます。馬にまたがることにより股関節が開いたり、馬の揺れに対してバランスをとることを学習したり、馬の体温が緊張した体をほぐしてくれます。乗馬をすることにより自分にも馬に乗れるという達成感や満足感が得られますし、馬と触れ合うことによりやさしさや思いやりの精神も培えます。また、乗馬をする為に屋外へ出ることや、ボランティアの人達との交流も社会参加につながるのではないでしょうか?

 日本でも徐々に活動の輪が広がってきていますが、欧米との馬(乗馬)文化の違いもあり認知されるにはもう少し時間がかかりそうです。乗馬療育がどんどんと広がって、日本中のどの市町村にも乗馬療育を受けられる施設ができればと、願ってやみません。

 乗馬療育にはたくさんの人が携わります。直接参加するインストラクター・リーダー・サイドウォーカー、間接的に関わる騎乗者(ライダー)の両親・教師・施設職員・医師・理学療法士なども大切な役割を果たします。いろいろな形のレッスンがあっていいと思うのですが、まずは乗馬療育に適した馬、場所、ヘルパーが必ず必要になります。一番大切なことは騎乗者(ライダー)が乗馬の時間をいかに楽しむかということですが、安全面の確保も決して忘れてはいけません。

 乗馬療育は馬・インストラクター・リーダー・サイドウォーカーが一つのチームとして動きます。チームの息がぴったり合えば、楽しい乗馬療育の時間を提供できます。それが騎乗者(ライダー)に良い効果となってあらわれてくることでしょう。

インストラクター:現場全体の指揮者です。レッスンに対して全責任を負う必要があるので、しっかりと知識・経験を身につけた人しか行うべきではありません。
  • ライダー(騎乗者)に合ったレッスン目標プランの設定、レッスンに必要な馬・馬具の選択
  • ライダー・ヘルパー・馬の安全の確保、ヘルパーへの指示、ヘルパーのトレーニング
  • 馬の調教、他の専門家との連携

リーダー:馬をひく人です。

  • レッスン中は馬のコントロールが最大の責任、常にインストラクターの指示に従う(もちろん馬に対しての知識や経験は必要不可欠)

サイドウォーカー:ライダーに並んで歩き、必要であれば支えるなどの介助をします。

  • インストラクターの指示を必要であれば、わかりやすい言葉でライダーに伝える
  • ライダーの様子を常に観察する必要がある